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應援團戦記

大学応援団の日々を綴るブログ…あなたの大切な思い出は何ですか?

六大は燃えているか

他大学応援団 所感・雑記

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* 久し振りの大学野球。歓声はあの日のままでした。 

 

 決戦は月曜日 

週末開催の六大学野球でしたが、僕たち東都2部とすれ違うことがありました。彼らが第3戦にもつれた場合の月曜日です。

我々の上級生が抱く敵愾心は激しく、

『 六大の奴らと遭遇しても、絶対に挨拶はすンな 』と厳命されていました。

個人的には何のうらみがある訳じゃないけど、僕らは実行あるのみです。でも下級生だけの隊列同士で、先方から声を掛けられることもある。迷いはありましたが、僕は上級生不在なら必ず返答させていました。

 

ギャラリー数1桁も珍しくない僕らと対照的に、六大学野球は月曜日でも多くの学生が集まります。僕らが神宮球場の横を通り過ぎる時、ワァ~ッと歓声が響くことがありました。チャンス法政コンバットマーチ の演奏と共に。

耳を震わすそれは、本当に月曜の試合なのかと疑ってしまう。嬌声麗しき女子学生の存在も悩ましい。城壁の様に聳える球場の向こう側では、熱気が飽和していることが窺えました。

 

実際、東都応援団員の中には『 六大の応援団に入っていれば 』と忸怩たる思いの者も少なからずいたに違いない。僕でさえ、合格をもらった立教を選んでいたら…と考えたことがあります。でもそれと母校へのプライドとは、別次元の話。名誉ある宇宙最強リーグたる東都の一員であることは、僕にとって一番の誇りでした。

 

 

 客に紛れて強行偵察 

大学4年の秋、六大学野球を初めて観戦する機会が訪れました。いつも懇意にしていた専修大学の団長と、国士舘大学の副団長( 当時はスポーツ応援会 )に誘われたのです。

忘れもしない晴天の土曜日、 明治 vs 慶應 1回戦でした。初めは全く気乗りせず、『 まぁ、見に行くか…』程度の気持ちでした。もちろん3人とも学ランで集合。

 

向かった先は明治側のスタンド。大勢の一般学生で混雑していました。僕は平静を装っていましたが、自分たちとの違いっぷりに終始驚嘆。スタンド1区画分の観客だけでも、東都2部に分けてもらえないものかと本気で妄想しました。圧倒的な人員と物量をたのみにした地球連邦軍と、それ目の当たりにしたジオン軍兵士の気持ちそのまま。分かりにくい例えでごめんなさい。

リーダー部は大勢の学生をまとめるだけでなく、的確な誘導や案内、笑わせながらのトークで場を温めている。スタンドの湯加減は試合前から沸騰寸前。僕らとは様子が違う。そこには、一般学生を伴ってこその応援の在り方を見た様な気がしました。

 

観衆に紛れておとなしく観戦をしていると、突然 隣席のお兄さんが話しかけてきました。彼も僕らと同じ学ラン姿。聞けば明大剣道部だと言います。きっと体育会の勘が働いたのでしょう。いろいろ話す中で名刺を差し出しながら、

麻溝台高校の Gさんって子を知ってる?』と。

それは僕の大学の同期チアの名前でした。彼女とはクラスメートだったとの事。あの日、僕のクラスメートだった明大リーダー部員もどこかにいたはずでした。世の中は本当に狭い…

 

彼は野球部の選手に詳しく、その解説は僕らを飽きさせない。やがて試合が進む中、彼は

『 もっと前の席に行った方が楽しいぞ。一緒に行こうぜ♪ 』

と提案してきます。僕は他大の応援席で目立つことを心配しましたが、専大の団長が面白がり、結局は席を移動することに。かなり前方の席だったと思います。

“ 日頃の付き合いもない東都の輩が学ランで…マズいだろ ” と心の中で誰かが囁く…。良くも悪くもそんな硬さが、東都2部らしい僕の限界だったりします。

 

 

 白雲なびくリーダー台 

10月も半ば過ぎ。辺りは少しずつ陽が落ち 肌寒くなっていましたが、応援の熱気は噂に違わぬものでした。特に下級生は非常に訓練されていることが分かります。あまつさえイニングが進む毎に、僕ら3人は応援を楽しんでしまう緊急事態。

もちろん野球部のレベルも高い。明治は度々攻勢に出て、累上を賑わせます。何本目かのタイムリーが飛び出した時でした。またスクラム校歌が始まるぞ…と思った矢先のこと。

 

剣道部の彼と団の幹部らしき1人が、急かすように僕らの手を引いてきました。そしてあろうことか、おのぼりさん 東都3人組 はリーダー台の上へ。そして僕でも歌える有名な校歌を、肩を組みながら一緒に歌ってしまいました…

宿敵・六大のリーダー台に上がり、その校歌を歌う。こんな姿がOBに知れたら、半殺しじゃ済まないなとみんなで笑い合いました。長い歴史の我が団にあっても、汚点と見るか、珍事と見るか見解は分かれる所でしょう。でもちょっと楽しかった。

 

野暮は承知だったのですが、僕の手を引いてくれたリーダー部の幹部に

『 部外者なのに良かったのか? 』

と尋ねました。彼は当然分かっていたようです。

『 俺たちの席に来てくれたなら、他大でも関係ないよ 』

とニコニコ。懐がでかい。

 

それが単に社交辞令だったのかどうか、今となっては知る由もありません。しかしどこか反目すべきと思っていた相手からもらった言葉は、僕の心に小さな波紋を投げかけました。

人一倍頑固な自分。時にイメージだけで相手を描いてはいなかったかと。